よつばみつけた

小さい頃、誰しもが探したと思う。

わたしは今まで一度も見つけることができなかった。

いつも探すけど、見つからなくてあきらめてしまっていた。 

そんなものだと思っていた。
四つ葉なんて見つからないものだと。

「えっ、簡単に見つかるよ」と
わたしに言ってくれた人がいた。

「一緒に探そうよ」
とみんなで探すことにした。

そしたら、
なんとすぐに
五つ葉が見つかった。

びっくりした。

2年前に海が見える草っ原で見つけたその五つ葉は、押し花にしていつも持っていた。

探せば見つかるんだ、
ということを忘れないために。

今日、土手を歩いた時に
ふと四つ葉を探してみようと思った。

うずくまって、探した。

探せど探せど見つからなかった。
探せど探せど三つ葉だった。 

世の中に本当に四つ葉があるのかと疑った。

そしたら二つ葉が見つかった。

二つ葉があるのなら、四つ葉だってあるはずだ。

そう思って探した。 

なかなか見つからない。 

心の目で探そうとした。

でもぜんぜん見つからないので、
心の目なんてありゃしないんだ、
とやさぐれた。

なんでわたしこんなことしているんだろう。
四つ葉を見つけてなんになるんだろう。
たくさん人がわたしの横を過ぎていくけど、どう思われているんだろう。

とかいろいろ考えた。

場所を変えて探した。
なんども場所を変えた。

どれくらい探したのか時間は全く覚えてない。

突然、目の前に現れた。

あった。
あるんだ。

ささやかな喜びだった。

けれど
「あるんだ」と信じることができなければ、最初から探すことはしなかっただろう。

ふっと目の前に現れたその時のこと。

今日という日の幸せな時間だった。

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